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事例1:
あなたの会社は、2,400万円のサービス残業の手当を支払うことができますか?

いきなり2,400万円の数字を出しましたが、ある会社が裁判で支払うよう命じられたサービス残業に対する金額です。
何故、このような金額を支払わなければならなくなったのか、そして、会社はどうすればよいか、見ていきたいと思います。

(事件の概要)

S生協(被告)の配達業務を行なっていた社員ら7名(原告)が残業時間に対する残業手当などの支払いを求めた事件です。

S生協では、タイムカードを打刻させていたが、出勤の有無を確認するためのもので、労働実態を反映していないとして、本人からの申請書により残業手当を支払っていました。
そのため、原告らはタイムカードの時間数と申請書によるものとの差額の残業手当を求めて訴えた事件でした。

(結果の概略)

1.以下の実態からタイムカードの打刻時間が実労働時間として認定すべきとしました。

 @ タイムカードによってパート、アルバイトの給与を計算し、正職員の皆勤手当の支給はタイムカードの記載によって管理していました。

 A タイムカードの打刻漏れがあった場合は、管理職が手書きで本人に記入させていました。

残業手当をタイムカードの打刻時間による支払いとなり、社員6名に対して約2,400万円になりました。

2.役職手当(職務手当、業務手当)に残業手当が含まれていると会社は主張しました。
しかし、どの部分が残業手当に該当するのかはっきりする証拠がないため、役職手当が残業手当を含むとの主張は採用できないと会社の主張を認めませんでした。

(会社の対応策の一例)

・ 実労働時間を把握する方法をはっきりさせる。申請書で残業手当を払っても構いませんが、実労働時間との差が出た場合は、その理由がはっきりしなければこの事件のように会社は負けるでしょう。

・ だらだら残業をなくすために、定型的な業務はどれくらいの時間がかかるか把握することが大切です。 残業について、就業規則に定めておきましょう。

・ 残業手当を定額で支払うことは、その金額が労働基準法所定の割増金額を超えていれば問題はありません。
しかし、残業手当分がどの手当に該当するのか、就業規則または賃金規程ではっきりさせておくことが大事です。