製造業、町工場さん専門の山北社労士です。ヒヤリハットを改善します。

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事例8:
社員が突然退職してライバル同業者へ。顧客を奪われた!

まず、使用者と競合する業務を行なわない義務のことを「競業避止義務」と言います。
在職中にもこの義務を負うことになりますが、問題になるのは退職後です。

この退職後の競業避止義務を会社が主張するには、就業規則に規定を定めておかなければなりません。
何もなければ主張は困難になります。
では、どんなポイントを押さえればよいのか見ていきます。

社員といっても一般社員から部長などの管理職まで社員はいろいろです。
すべての社員に適用できるのか?

会社の重要機密を知りえる立場の管理職を対象にすることは可能ですが、その立場にない一般社員までは難しいです。
(裁判例:キョウシステム事件など)

無制限に期間を設けることはできるのか?

職業選択の自由がある以上、競業禁止期間を永久にすることはできません。
しかし、制限期間(6か月、1年、2年など)を設けることは可能です。
(裁判例:ケプナー・トリゴー日本事件など)

規制地域を設けることはできるのか?

会社の営業エリアを基にして地域を限定することは可能です。
(裁判例:ダイオーズサービシーズ事件など)

退職金の支給制限はできるのか?

競業地域で営業した場合に退職金の減額支給を定めることは可能です。
(裁判例:ジャクパコーポレーション事件など)

ポイントをまとめますと

社員の範囲を限定すること、競業禁止期間や競業禁止地域を設けること、違反した場合は退職金の減額があるといった内容を就業規則に盛り込むことが必要となります。

しかしながら、就業規則に謳っていたにもかかわらず、競業行為をした場合には、裁判に訴えるしかありません。

裁判の結果は、退職者の地位が高いほど、会社の重要機密に接する機会が多いほど、競業制限の期間や地域が限定されていればいるほど、競業制限は有効とされやすい結果となっています。