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社労士だより「運鈍根」 再開29号 2007年9月17日
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○○ INDEX ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
1.障害者雇用から改めて学んだ職場の安全対策
2.事故が起きて、身にしみる作業手順書の大切さ
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1.障害者雇用から改めて学んだ職場の安全対策

先日、車いすの障害者を雇用されている経営者の講演を聞きました。その会社は、インターネットを活用したソフト開発の会社です。この経営者は、創業時から雇用の機会が少ない人の雇用を考えられていく中で、障害者の雇用に踏み切られました。障害者の素晴らしい予想外の仕事ぶりに新たに障害者を雇用される時に、事務所も移転ということもあって、事務所をバリアフリー化し障害者が働きやすい環境に改装されました。

そのビフォーアフターを写真で紹介されていく途中で、これは障害者対策だけではなく、今後増えていく高年齢労働者対策にもなり、かつ、職場の安全対策になる、と改めて思いました。

紹介事例の1つは、車いすの方が通行できるように段差のある通路をスロープにされたものでした。これは、転倒災害の原因である「床面の段差」でつまずく対策にもなります。例え、3cmの段差でもつまずくことがあるのです。高年齢者は、足をあげているつもりでもあがっていないことがあり、つまずいてしまうものです。スロープに関しては、勾配を1/8以下にし、目立つ色にすることが必要です。

他に高年齢労働者の安全対策としては、高年齢者の身体機能に目を向けるべきです。大抵は、小さい文字が読みにくい、もの忘れが多くなる、聴力が低下する、速い動きがむずかしい、体力や筋力が弱くなるなどがあります。ある面では、高年齢者もハンディキャップを背負っています。その対策をすることが、職場の安全対策にもつながり、以下のような対策をすることが有効です。

@作業場を明るくしたり、文字を大きくしたり、情報の伝達を聞く方法から見る方法に変えることです。
A滑ったり、つまずかないように通路の凹凸をなくしたり、スロープにする。階段には手すりをつけます。
B運搬の機械化、軽量化、自動化を図ります。また、締めたり緩めたりする作業では、力を入れなくてもできる工夫をします。
Cかがむ作業、立ち作業、体をねじる作業を少なくします。
D適正な配置換えを行い、遅くとも正確さを必要とする仕事につかせます。

まず、職場のヒヤリハットを出してみることから始めてください。

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2.事故が起きて、身にしみる作業手順書の大切さ

 
本年8月25日に川崎造船神戸工場で、ベアリングを交換中の大型クレーン(高さ約50メートル、重さ800トン)が倒壊し3名が死亡、4名が重軽傷を負った事故がありました。

この事故で、問題なのは、この作業をするに当たって、事前に作業の具体的な計画書を作らず、作業手順書もなかったことです。更に、このクレーンは昭和39年から稼動していましたが、今回と同じ作業は、昭和40年代に1度行ったきりで、前回の作業に参加した作業員の経験をもとに進められたことです。

みなさんは、30年くらい前に1度きり行った作業を詳細に覚えていますか。

今回の事故は、普段やらない非定常作業こそ、事前に計画を立て、作業手順をきちんと確認しないと、重大事故が起きてしまう典型的な例です。

この事故により、会社は背景を含めた原因調査、すべての作業についての安全点検、安全教育の見直しを兵庫労働局から行政指導をうけました。 また、兵庫県内のおおむね従業員20名以上の約10の造船所に対して、今月中に同局と労働基準監督署の職員による立ち入り指導が実施されることになり、県内約40の造船所に対し、自主点検の実施を求める文書も送付されました。

重大事故は、明日はわが身と考えて、日頃から安全対策を行っていくことが会社や社員を守ることにつながります。